おしらせ
■Go-tech事業でトヨタエナジーソリューションズ様からお借りした燃料電池について、トヨタエナジーソリューションズ様のホームページのお知らせに掲載されました。
トライネクスト(TRiNEXT)事業の水素社会へのビジョン
- 水素を地産地消し地球環境を守る経済活動を推進する。
- 水素エネルギーを極限利用するトライジェネレーションシステム(TGS)で世界のカーボンニュートラル(CN)を推進する。
- TGSの技術要素を組み合わせて、市場分野、お客様のニーズに合わせて横展開する。
- 水素を利用したCNの社会課題や健康関連製品を開発し社会実装する。
- 上記実現のために同じ志の企業、機関と共創、協業する。
■ロゴに込めた想い
TRi :3つ、三角:3つ、矢印の方向:未来、トライ:挑戦 | |
NEXT :+α、次の、未来へ | |
ブルーのリング:地球の大気、CN環境 |
地球温暖化の対策に、カーボンニュートラルの施策が強化されています。カーボンニュートラルとは、エネルギーを伴う生産活動において、活動、生産等において二酸化炭素(CO2)ガスを発生させたら、その二酸化炭素ガス分だけ減らすことにより差し引きゼロにし、ニュートラルにすることを意味する。このカーボンニュートラルを突き詰めれば「ゼロカーボン」に行き着く。言わばゼロカーボンが究極の目標です。
カーボンニュートラルの施策が最もインパクトを受けるのは工業界であります。なぜなら、製品を来るための装置製造、部材製造において、全ての工程での化石燃料の電力を極力使わないゼロカーボンが要求されるからです。カーボニュートラルを満たさない場合は、炭素放出量に従って炭素税が課税される世の中になります。
販売されている窒素ガスは液体窒素から主として作られます。液体窒素は空気を原料として深冷分離法で製造されています。深冷分離法の冷却には化石燃料を用いた電力が使われており、カーボンニュートラルの製造で作られたガスではないとも言えます。
本システムによる窒素ガスは、グリーン水素に並んで、正に「グリーン窒素」を目標にします。
還元雰囲気(水素)の窒素ガスの調整も可能です。
MCSは、再エネで作られた水素エネルギーに注目し、燃料電池の電力、熱エネルギーだけではなく、無駄に捨てられている排気ガス中の高濃度の窒素ガスを利用する技術を10年来検討してきました。燃料電池利用の中で、電力と熱(お湯)を出力するエネファームはコジェネレーションの燃料電池です。MCSの目指している燃料電池は、ゼロカーボンで電力、熱に窒素ガスを加えたトライジェネレーションの燃料電池です。以下はその開発成果と窒素ガス生成技術の意義などについて紹介しています。
Naganoものづくり大賞においてトライジェネレーションシステム
「きらり光技術賞」受賞、エクセレンス製品と選定される
佐久支援センター様製作のトライ・ジェネレーションシステム紹介動画
■令和5年度成長型中小企業等研究開発支援事業採択 (Go-Tech事業)
カーボンニュートラルの施策が最もインパクトを受けるのは工業界であります。なぜなら、製品を来るための装置製造、部材製造において、全ての工程での化石燃料の電力を極力使わないゼロカーボンが要求されるからです。カーボニュートラルを満たさない場合は、炭素放出量に従って炭素税が課税される世の中になります。
販売されている窒素ガスは液体窒素から主として作られます。液体窒素は空気を原料として深冷分離法で製造されています。深冷分離法の冷却には化石燃料を用いた電力が使われており、カーボンニュートラルの製造で作られたガスではないと言えます。
本システムによる窒素ガスは、グリーン水素に並んで、正に「グリーン窒素」を目標にします。
MCSは、再エネで作られた水素エネルギーに注目し、燃料電池の電力、熱エネルギーだけではなく、無駄に捨てられている排気ガス中の高濃度の窒素ガスを利用する技術を10年来検討してきました。燃料電池利用の中で、電力と熱(お湯)を出力するエネファームはコジェネレーションの燃料電池です。MCSの目指している燃料電池は、ゼロカーボンで電力、熱に窒素ガスを加えたトライジェネレーションの燃料電池です。以下はその開発成果と窒素ガス生成技術の意義などについて紹介しています。
令和5年度成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)に採択されました。タイトルは「カーボンニュートラル対応水素・燃料電池を用いたトライ・ジェネレーションシスエムの製品化開発」であります。図1が、本開発の主要な構成であります。製品開発に向けて開発を行っています。
図1. Go-Tech事業で開発するトライジェネレーションシステムの概要
トヨタエナジーソリューションズ様燃料電池(6.5kW)を適用して一気通貫プロセスで検証
図2. Go-Tech事業の中で開発しているトライジェネレーションシステム(一部)
関東経済産業局主管のGo-Tech事業の中で、トライ(窒素・電力・熱)ジェネレーションスステムを開発しています。これは、燃料電池の電力、熱出力の他に、今まで排ガス(窒素約90%以上、酸素10%以下)として捨てられていた大量の窒素ガスを回収し資源化した世界初のシステムです。 これを実証するため株式会社トヨタエナジーソリューションズ様※から新型燃料電池(写真)をご厚意により借して頂き検証を行いました。図1に示す水電解装置によって生成した水素を用いて、前記商用燃料電池の排ガスを実際に酸素除去装置までの一気通貫プロセスにより液体窒素並に酸素濃度0.001% (10ppm)以下にした高純度窒素ガス生成に成功しました。
本活動は※トヨタエナジーソリューションズ様の「お知らせ」に紹介されました。
燃料電池の原理
図3は、燃料電池の原理を示します。
1.水素(H2)が電子(e–)と水素イオン(H+)に分かれます。
2.水素から別れた電子は外部回路を伝って空気極へ移動します。この電子の移動と逆方向が電流の向きなります。
水素イオン(H+)は燃料極と空気極を隔てている膜(電解質膜)の中を空気極に向って移動します。
3.電子や水素イオンが空気極へ到達し、酸素と反応して水となります。
その際、導入された空気(約79%が窒素)は不活性ガスですので空気極からそのまま排気されます。空気極からの排気ガスは酸素が消費されていますので、90%以上の高濃度の窒素ガスが得られます。この高濃度窒素ガスを有効に利用します。再エネによるゼロカーボンの水素を用いれば、ほぼカーボンニュートラルな窒素ガスが得られます。
※図3は、高分子型燃料電池(PEFC)の原理図を示していますが、酸化物型燃料電池(SOFC)でも、同様に適用出来ます。
燃料電池を用いたゼロカーボン(グリーン)窒素ガス生成技術の開発
工場製品の製造、加工等において、窒素ガスが必須要件として使われている市場がたくさんあります。
窒素ガスは空気中に無尽蔵にあるので安価でクリーンなイメージがありますが、水素ガスに次いで高価なガスであります。商用の窒素ガスは空気から酸素、窒素を電力により冷却し分離し、そのコストは大部分が化石燃料による電力コストが占めています。
リフロー半田付け装置のように大流量を必要とする装置では、頻繁に使用すれば年間数百万円オーダーの経費がかかります。
半田装置、窒素ガス雰囲気炉、フライヤー装置、アルミ鋳造装置などでは、多量の窒素ガス、電力、熱を必要とします。
再生可能エネルギーを用いて生成した水素を用いた燃料電池を用いれば、電気、熱の他に図2のように無尽蔵にある空気(窒素比率78%)から酸素ガスだけを消費させて、高濃度のカーボンニュートラルな窒素ガスが得られます。この高濃度の窒素ガスを更に図2のように酸素除去すれば高濃度の窒素ガスが得られます。従って燃料電池は一つの窒素ガス生成装置と見なすことが出来ます。「窒素ガス」、「電気」、「熱」の3要素を得ることが出来るはずとのアイデアを出し、それを実証し特許出願しました。
窒素ガスを利用する目的は酸化防止のため利用が多く、熱も使用条件の重要な要素となります。例えばリフロー半田付け装置のような場合は、熱自体も必須要件となります。さらに大電力も必要とされます。図2に示すような装置などに適用出来ます。
本技術の意義
①窒素ガス・電力・熱の3点を同時必要とする企業に非常にメッリトが大きい。
窒素ガスの生成利得は電力、熱の生成の利得より数倍大きい。この理由は、窒素ガス自体の価格が高いことと、排気中に含まれる窒素ガスが多量にあるからで、つまり燃料電池に導入する空気の約80%が窒素ガスだからです。
②ゼロカーボンの推進に寄与します。
これは政府が2050年までに進める計画である「カーボンニュートラルを伴うグリーン戦略」のコンセプトに適合した技術、製品と考えています。
③エネルギー(自然 AND/OR 人工)の利用効率が上がります=光熱費の低減などに繋がります。
窒素ガス利用分野
窒素ガスは空気の80%程度を占め、無尽蔵にあるため安価と思ってしまいますが、ボンベ、液体窒素で購入すると水素ガスに次いで高価なガスであり、大量に使用する利用分野ではかなりの製品コストの負担となります。
窒素ガスは、一般に酸化をさせたくない、もしくは嫌う分野に使われています。酸化する原因は、高温や酸素がある環境であり、それを抑制するガスに窒素ガスが使われています。高温環境を作り出し維持するには大量の電力が必要となります。燃料電池が単に電力、熱だけでなくゼロカーボンの窒素ガスが得られることは、窒素ガスを利用する分野では極めて有用です。表1に産業界で窒素ガスが使わているさまざまな分野を示します。
表1. 窒素ガスが利用されている分野
■電子・電気分野 リフロー半田付け装置 接合窒素ガス装置 電子基板の保管庫 ■鋳造・ダイキャスト分野 アルミ・鉄溶解窒素ガス供給装置 ■不活性ガス雰囲気加工分野 圧延・焼鈍用窒素ガス雰囲気炉 ■食品分野 食品保存用窒素ガス供給装置 フライヤー(揚げ物)装置 CA貯蔵窒素ガス供給装置 (CA:Controlled Atomossphere:空気調整) ■機械加工分野 ドライカット装置 (油切削・研磨油代替) ■倉庫・保管庫分野 電子部品の保管 美術館・文化財の保管 ■輸送分野 自動車タイヤ 船舶窒素ガスパージ装置 ■化学分野 脱酸素用ガス用 冷却ガス用 |
■窒素ガスの利用分野は多様であります。当社でそれぞれの分野のお客様の要求に合わせて対応したと考えています。ご相談下さい。
■高温の窒素ガス雰囲気の利用で、窒素ガス中に水素を含ませた還元ガスのご提供も可能です。ご相談下さい。
本システムの利得(当社試算)
水素・燃料電池はカーボンニュートラルに適していると言われていますが、産業界、特に工場現場には残念ながら全く普及していません。その理由の最も大きな理由は、工場で使う電力の単価に対して燃料電池で作る電力の単価が3~4倍高いからです。現状の水素単価は、政策的に安くしている水素ステーション級の水素で100円/m3 程度であり、NEDOがロードマップに挙げている2030年に30円/m3とする目標は、電力単価を商用電力並みにしたいからです。
本システムは、工場などの生産現場や産業界などで窒素ガスを利用するユーザー様にカーボンニュートラルのソリューションをご提供するもので、そのコスト高を補完するため、従来捨てられていた排気ガス中の窒素ガスを回収し、それ以上の利得を得ることを目標としています。
本システム導入をご検討頂くため、本システムの利得試算を行いました。
本計算の基データは、既に数十万台も世の中で使われている燃料電池(商標エネファーム)のカタログ値を参考し分析しました。エネファームは所謂コ(電力・熱)・ジェネレーション・システムであり、その仕様値から都市ガス消費量、水素消費量、発電効率、熱効率等を分析した。それら数値を基に本システムの導入利得を算出しました。燃料電池の燃料には、エネファームでは都市ガス、純水素型燃料電池は純水素が使われます。そこから提供される出力(利得)として、電力、熱(電力換算)、窒素ガスがあります。利得計算をするためのそれぞれの単価を表2に示す。
表2.システム利得試算のための各種ガス及び電力単価
各種ガス・電力 | 単価例 |
都市ガス(メタン) | 132 円/m3 |
水素ステーション級水素 | 100 円/m3 |
窒素ガス(液体窒素:弊社購入価格) | 120円/m3 |
電力 | 20円/kWh |
図4は、投入ガスの価格に対する出力(利得)を示した図である。図では、エネファームに使われる都市ガスの投入価格を「1」として、各種数値を規格化している。つまり、表2の単価を基に投入する量を掛ければ金額が出て来る。
コスト比較の説明
①エネファームの場合
エネファームはメタン(CH4)ガスを改質して水素を生成する。この場合は、例えば100円の都市ガスを投入すれば、電力は76円、熱(お湯)は110円分の利得が得られる。全体利得は190円を得る。つまり、電力とお湯(熱)で約90円の余剰利得を得る。これが、エネファームが広く使われている所以です。
②通常の純水素型燃料電池の場合
純水素を燃料とする燃料電池は、同じエネファームと同じ電力を得るには、水素ステーション級水素ガス都市ガスの3倍の価格が必要である。図からわかるように、例えば電力76円分の電力を得るためには、300円分の水素が必要である。つまり、商用電力の(3/0.76~)4倍のコストが必要になる。コスト低減が重要な工場現場に、電力を得るために燃料電池が導入されない理由です。
③本システム(純水素燃料電池使用)の場合
純水素を用いた燃料電池は②の場合と同じで、同じ比率で電力及び熱が出力される。本システムでは燃料電池からの排気ガスから窒素ガスを回収する。図のように、水素300円に対して、窒素ガスは約870円が得られ、電力、熱、窒素ガス、トータルで燃料費に対して約750円の利得が得られる。
窒素ガスを必須で使用している事業分野では、本システム導入の大きなモチベーションとなります。この利得により、設備投資の償却も早く回収されます。当然、水素燃料費が下がれば下がる程、利得は大きくなります。今までは、燃料電池は、非常用、予備用な使用しか使われていませんでしたが、カーボンニュートラルの最も必要な分野の有力なシステムとなることを確信しています。
因みに10kW級の燃料電池を用いれば、Go-tech事業での目標では、窒素ガスは約19m3/hour程度が見込まれます。50kW級の燃料電池を用いれば、90m3/hourの窒素ガス量を見込んでいます。
関東産業省 関東経済局
2022年度関東経済産業局委託事業
2022年度関東経済産業局委託事業の中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業に掲載されました。
「中堅・中小企業とスタートアップの連携事例 マイクロコントロールシステムズ株式会社×株式会社U-MAP
ゼロカーボン窒化アルミニュウムの実現に向けた窒素ガス・電力・熱のトライジェネレーションシステムの開発
本技術の特許
本技術について、登録、公開された特許を以下に示します。
①特許6069626号 出願日:2012年5月7日 | 発電の際の電力及び排ガスを利用する半田付け装置及び半田付け方法 |
②特許6069631号 出願日:2016年3月17日 | 発電の際の電力及び排ガスを利用する半田付け装置及び半田付け方法 |
③特許6379341号 出願日:2016年12月2日 | 加工装置又はシステム用の発電装置及び発電システム |
④特許6606675号 出願日:2018年6月27日 | 加工装置に電力及び不活性ガスを供給可能な発電装置及び加工システム |
⑤特許6956396号 出願日:2017年4月28日 | 加工装置又はシステム用の発電装置及び発電システム |
⑥特許7092329号 出願日:2018年1月26日 | 電力・低酸素ガスを供給可能な装置及び方法 |
⑦特許第7176716号 出願日:2018年3月29日 | 自然エネルギーを利用した圧縮ガス供給システム及び装置、並びに電力供給システム |
⑧特許7466167号 出願日:2019年2月25日 | 高圧の燃料電池排ガスをフィルタリングする窒素ガス生成方法及び装置 |
⑨特開2021-136084 | 燃料電池排ガスをフィルタリングする窒素ガス生成方法及び装置 |
⑩特許7277985 出願日2022年2月7日 | 加工装置又はシステム用の発電装置及び発電システム、並びに当該加工装置又は加工システム |
⑪特開2022-114256 | 燃料電池排ガスを除湿しフィルタリングする窒素ガス生成装置及び方法 |
⑫特開2022-190065 | 自然エネルギーを利用した圧縮空気供給システム及び装置 |
⑬特開2022-114256 | 燃料電池排ガスを除湿しフィルタリングする窒素ガス生成装置及び方法 |
⑭特開2023-101132 | 加工装置又は加工システム用の発電装置及び発電システム、並びに当該加工装置又は加工システム |
⑮U. S. Patent US Pat. 11,978,935 | APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING NITROGEN GAS THROUGH DEHUMIDIFYING AND FILTERING FUEL CELL EXHAUST GAS |
⑯特開2023-106419 ⑰特開2024-094324 | 非酸化ガスを生成するガス生成装置及び方法 高圧の燃料電池排ガスをフィルタリングする窒素ガス生成装置及びシステム |
■長野県に「工業用燃料電池システム研究会」発足
長野県産業推進機構の音頭で「工業用燃料電池システム研究会」が発足しました。2月に第2回研究会が開催されます。
「工場の生産ラインに導入可能な工業用燃料電池は、未だ課題を残していて普及には至っていませんが、脱炭素のための水素エネルギーの活用として燃料電池システムの導入が大いに期待されています。そこで、近い将来のシステム導入の可能性や新たな開発プロジェクトテーマを見出すため、システムの利点・優位性と技術的課題についての調査・研究や情報交換の場を設けることを目的する」
本研究会は長野県に所在する当社にとっても各種技術、ニーズを有する企業との出会いの場となり期待しています。是非、ご参加下さい。
窒素ガスを利用しカーボンニュートラルを目指す利用者を探しています。窒素ガスに水素も加えて調整出来ます。
現在、お客様のニーズ、利用法などを調査しています。
工場などの生産現場、メーカー、業種毎に特別な条件があり、利用者様毎に最適なシステムが必要になるからです。
窒素ガスを生産現場で使っていて、水素を用いた燃料電池発電機を導入し、電力、熱を必要とし、カーボンニュートラルを推進したいと考えている利用者様!
自社に合ったシステムを一緒に開発をしたい利用者様!
自社のプロセスに合ったトライジェネレーションのカスタマイズ製品が欲しい利用者様!
一緒に自社に合ったシステムを一緒に開発をしたい利用者様!
使うための試験・評価をご希望している利用者様!